この記事の要点

  • 売上がバラバラに見える原因は、予約の入口と支払いの出口と記録の置き場がそれぞれ別の場所にあること
  • 最初にやるのは道具選びではなく、お金が入ってくる入口を全部書き出して数えること
  • 帳簿は1回の来店を1行にする。日付、お客さん、メニュー、金額、払い方の5つの列があれば回る
  • 決済アプリの入金は手数料を引いた後の金額になるので、売上は受け取る前の総額で書き、手数料は別に記録する
  • 毎日つけるのが続かないなら、週に1回、入金の明細と帳簿をつき合わせる日を決める

予約はインスタのDMで受けている。

支払いは現金のお客さんもいれば、決済アプリのお客さんもいる。

売上はスマホのメモ帳に、その日の終わりに打ち込んでいる。

月末になって今月いくらだったかを数えようとすると、メモ帳と、決済アプリの画面と、財布の中身を行き来することになります。

しかも、どれとどれが同じお客さんの分なのかが、あとから分からなくなる。

この記事では、散らばった売上の記録を、手元の1冊の帳簿にまとめる順番を整理します。

経費やレシートの話はサロンの事務作業を減らす順番にまとめたので、ここでは売上の記録だけに絞ります。

売上がバラバラに見える理由

バラバラに見えるのは、つけ方が雑だからではありません。

予約を受ける場所と、お金を受け取る場所と、記録する場所が、それぞれ別々にあるからです。

売上が散らばる3つの場所
ひとつの来店
入口DM、LINE、電話、予約サイト
出口現金、決済アプリ、カード、振込
記録メモ帳、手帳、頭の中

1回の来店が、3か所に分かれて残っている状態です。

1人のお客さんの1回の来店が、3か所に分かれて残っている。

これが、月末に数字が合わない正体です。

なので、やることは道具を増やすことではありません。

3か所に散らばった1回の来店を、1行に戻すことです。

最初に入口と出口を数える

いきなり会計ソフトを選びに行くと、たいてい途中で止まります。

自分の店のお金がどこから入ってきているのか、全体が見えていないまま設定を始めることになるからです。

まずは紙1枚に、書き出してみてください。

予約はどこから来ているか。

インスタのDM、LINE公式、電話、予約サイト、来店時の次回予約。

支払いはどうやって受け取っているか。

現金、決済アプリ、カードの端末、銀行振込、回数券やポイント。

書き出す2つの列
予約の入口
  • インスタのDM
  • LINE公式
  • 電話
  • 予約サイト
お金の出口
  • 現金
  • 決済アプリ
  • カード端末
  • 振込や回数券

右の列の数だけ、つき合わせる相手が増えます。

ここで大事なのは、右の列です。

帳簿をまとめるときに手間がかかるのは、予約の入口ではなく、お金を受け取る方法の数だからです。

払い方が4種類あれば、月末に確認する画面も4つになります。

もし使っていない決済アプリや、年に数回しか使わない方法があれば、この時点で減らせないか考えてみる価値があります。

入口の側が多すぎて困っているなら、インスタDM予約をやめる移行手順も参考になると思います。

帳簿は1回の来店を1行にする

置き場を1か所に決めたら、書き方をそろえます。

おすすめは、1回の来店を1行にする形です。

列は5つあれば回ります。

1行に入れる5つの列
1. 日付施術をした日
2. お客さん名前か、自分で分かる呼び名
3. メニュー何をしたか、物販があればそれも
4. 金額お客さんが払った総額
5. 払い方現金、アプリ、カード、振込のどれか

いちばん効くのは、5番目の払い方の列です。

この列があるだけで、月末に決済アプリの明細と見比べるとき、アプリの行だけを並べて確かめられるようになります。

メモ帳に日付と金額だけを書いていると、ここができません。

合計が合わないときに、どこがずれているのか探しようがなくなります。

置き場は、紙のノートでも、表計算ソフトでも、会計ソフトでもかまいません。

続くほうを選んでください。

ただ、次の段階で入金の明細とつき合わせることを考えると、表計算ソフトか会計ソフトのほうが手が早くなります。

決済アプリは総額で書く

ここで多くの人がつまずきます。

決済アプリやカード端末の入金は、手数料が引かれた後の金額で振り込まれます。

たとえば1万円の施術を決済アプリで受け取ると、口座に入ってくるのは手数料を差し引いた金額です。

この入金額をそのまま売上として書くと、お客さんが払った金額と帳簿が合わなくなります。

アプリ払いの書き分け方
売上お客さんが払った総額をそのまま書く
手数料差し引かれた分は経費として別に書く
入金額そのまま売上にしない。合わなくなる原因になる

手数料率と入金のタイミングは、使っているサービスの案内で確かめてください。

売上は、受け取る前の総額で書く。

引かれた手数料は、経費として別の行に残す。

こうしておくと、総額から手数料を引いた数字が、口座に入った金額と一致するはずです。

一致すれば記録は合っている、と確かめる材料になります。

処理の細かいところは、会計ソフトの案内や税理士に確認しておくと安心です。

回数券と振込は日付がずれる

もうひとつ、日付がずれる売上があります。

回数券と、あとから振り込んでもらう支払いです。

回数券は、お金を受け取った日と、施術をした日が違います。

振込は、施術をした日と、口座に入った日が違います。

日付が2つある売上
回数券
  • 売った日
  • 1回ずつ使われた日
振込
  • 施術をした日
  • 口座に入った日

どちらの日を売上にするかは、税務の扱いが関わります。

どちらの日で売上として扱うかは、税務上の扱いが関わるので、ここでは決めつけません。

自分の店の場合どうするかは、税理士に一度聞いておくのが確実です。

帳簿の側でできるのは、どちらの扱いになっても困らないように、両方の日付を追える形で残しておくことです。

回数券なら、売った日に1行、使われた日にも1行。

使われた日の行には、回数券の何回目かを書いておくと、残りの回数も同じ帳簿で分かります。

回数券そのものの作り方は、サロン回数券の作り方と法律で気をつける線にまとめています。

週に1回つき合わせる日を決める

毎日その日のうちに帳簿をつけられれば、それがいちばんです。

でも、施術で疲れた夜に毎日続けるのは、なかなか難しいものです。

なので、毎日つけることより、週に1回つき合わせる日を決めるほうをおすすめします。

週1回のつき合わせの流れ
1. 帳簿その週の来店が全部1行ずつ入っているか見る
2. 明細決済アプリとカードの明細を開き、払い方の列と見比べる
3. 現金現金の行を足して、手元の現金と合うか確かめる

1週間分なら、思い出せるうちに直せます。

1週間分なら、合わない行があっても、誰の来店だったかを思い出せます。

1か月分をまとめてやると、そこが思い出せません。

予約の入口のDMやLINEも、1週間なら遡って確かめられます。

会計ソフトを使っているなら、銀行やカードや決済アプリと連携しておくと、明細の側は自動で入ってきます。

それでも、現金で受け取った分と、誰のどのメニューかという中身は、ソフトには分かりません。

そこだけは、自分で1行ずつ足す部分として残ります。

まとめると3段階

やることを順番に並べると、こうなります。

入口と出口を紙に書き出して、お金を受け取る方法の数を知る。

帳簿の置き場を1か所に決めて、1回の来店を5つの列で1行にする。

週に1回、入金の明細と帳簿をつき合わせる。

決済アプリの売上は総額で書き、手数料は別に残す。

回数券と振込は、日付を2つとも追えるようにしておく。

これだけで、月末に財布とアプリとメモ帳を行き来する時間は、かなり減るはずです。

売上が1本にまとまると、どのメニューがよく出ているか、どの払い方が多いかも、同じ帳簿から見えるようになります。

ここまでは、道具を増やさなくてもできる部分です。

自分の店の入口と出口を書き出してみて、どこでつまずいているのか整理しきれないときは、お問い合わせから聞いてください。

よくある質問

売上の記録は紙のノートでもいいですか

続くなら紙でもかまいません。大事なのは置き場が1か所であることです。ただ、決済アプリの明細や銀行の入出金とつき合わせる作業は、表計算ソフトや会計ソフトのほうが楽になります。いまメモ帳に書いているなら、まず同じ5つの列で1か所に書き写すところから始めると移りやすいです。

決済アプリの売上は、入金された金額で記録すればいいですか

入金額は手数料が引かれた後の金額なので、そのまま売上にすると、お客さんが払った金額と合わなくなります。売上は、お客さんが払った総額で記録します。差し引かれた手数料は、経費として別に記録しておくと、あとで数字が合わせやすくなります。細かい処理のしかたは、税理士や会計ソフトの案内で確認してください。

回数券やプリペイドの売上はいつ記録しますか

回数券は、お金を受け取った日と施術をした日がずれます。どちらの日で売上にするかは、税務上の扱いが関わるので、税理士に確認するのが確実です。少なくとも帳簿には、売った日と使われた日の両方が追える形で残しておくと、どちらの扱いになっても困りません。

会計ソフトを入れれば全部自動でまとまりますか

銀行やカード、決済アプリと連携すれば、入金の記録はかなり自動で入ってきます。ただ、現金で受け取った分や、誰のどのメニューの売上かという中身は、ソフトには分かりません。そこは自分で1行ずつ足す部分として残ります。

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