この記事の要点
- 解約を伝える前に、ドメイン・サーバー・サイトのデータの3つが誰の名義かを確かめる
- ドメインの名義はWhois検索で外から確認できる。登録者が自分でなければ移管の相談が要る
- 制作会社を責める書き方をしない。多くは悪意ではなく、契約当時の流れでそうなっているだけ
- 頼むときは、解約の話と名義の話を同じメールに混ぜない。先に確認だけを依頼する
- 移管には申請から完了まで数日から2週間ほどかかる。解約日を先に決めてしまわない
ホームページの制作会社を変えたい。
そう思ったとき、最初にやりたくなるのは解約の連絡だと思います。
でも、そこは少しだけ後回しにしてください。
先に確かめておくものが3つあります。
ドメイン、サーバー、サイトのデータです。
この3つが誰の名義になっているかで、次にできることが変わります。
解約を伝える前に止まる理由
解約を先に伝えてしまうと、確認が急ぎの話になります。
相手にも都合があるので、返事に数日かかることは普通にあります。
そのあいだに契約の期日が来てしまうと、選べる手が減ります。
順番を逆にするだけで、この詰まりはほとんど起きません。
確認が済んでから、解約の日を決める。
- 確認が急ぎの話になる
- 返事に数日かかる
- 期日が来て選べる手が減る
- 落ち着いて調べられる
- 済んでから解約日を決める
これだけです。
確かめる3つの名義
ドメインの名義
ドメインは、サイトの住所です。
これが相手の名義のままだと、解約したあとに住所ごと使えなくなることがあります。
サイトだけでなく、そのドメインで受け取っていたメールも止まります。
名刺やチラシに刷ってある住所が使えなくなる、という意味です。
いちばん影響が大きいのがここなので、最初に確かめます。
サーバーの契約者
サーバーは、サイトの中身が置いてある場所です。
制作会社がまとめて借りている中に相乗りしている形だと、自分の契約が存在しません。
この場合、引っ越しは「移す」ではなく「新しく借りて、中身を運ぶ」作業になります。
手間は増えますが、できない話ではありません。
サイトのデータとログイン情報
記事、写真、お客様の声。
これまで積み上げてきたものは、全部データとして残っています。
管理画面に入るためのIDとパスワードを自分が持っているかどうかを確かめてください。
持っていなければ、渡してもらう相談が要ります。
名義を調べる場所
ドメインは、外からでもある程度確認できます。
Whois検索という仕組みで、登録者の情報が公開されているためです。
ドメイン名を入れると、登録者と管理している業者が表示されます。
ただし、個人情報を伏せる代理表示が入っていることがあります。
その場合は制作会社の名前か、代行サービスの名前しか出てきません。
外から分からないときは、素直に聞いたほうが早いです。
サーバーとログイン情報は、外からは確認できません。
契約書か、最初にもらったメールを探してみてください。
見つからなければ、これも聞く対象になります。
頼み方の文面
ここがいちばん気を遣うところだと思います。
大事なのは、責める形にしないことです。
名義が制作会社になっているのは、多くの場合は悪意ではありません。
開業のときに「全部こちらでやっておきますね」と言われて、そのまま進んだだけです。
当時はそれがいちばん楽な形でした。
なので、過去の話にはしません。
これからの管理の話として頼みます。
もうひとつ。
解約の話と、名義の確認を同じメールに入れないでください。
同じ文面に入れると、取り上げられる側の話として読まれます。
先に確認だけを送ります。
- 過去を責める形
- 解約と名義確認を同じメールに
- これからの管理の話にする
- 確認だけを先に送る
文面の例を置いておきます。
```いつもお世話になっております。◯◯(店名)の△△です。
今後の管理体制を社内で整理しており、現在の契約内容を確認させていただきたくご連絡しました。
お手数ですが、以下の3点について教えていただけますでしょうか。
・ドメイン(◯◯.com)の登録名義・サーバーの契約名義と、契約されているサービス名・サイトの管理画面のURLとログイン情報
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。```
これで返事が来ます。
返事の内容を見てから、次を決めます。
名義が相手だったとき
慌てなくて大丈夫です。
名義が制作会社になっていても、移管そのものはできることがほとんどです。
ドメインには移管の手続きが用意されていて、元の登録業者から承認をもらって新しい業者へ移す流れになります。
このとき必要なのが、認証コードと呼ばれる文字列です。
これを制作会社から出してもらいます。
移管の依頼も、同じように今後の管理の話として伝えます。
```ご確認いただきありがとうございました。
今後は当店側でドメインを管理したいと考えております。移管の手続きをお願いできますでしょうか。
必要な認証コードのご送付と、お手続きの流れをご教示いただけますと助かります。```
多くの制作会社は、この手順を持っています。
期間と費用の目安
移管は、申請してすぐ終わるものではありません。
承認のやりとりが入るため、数日から2週間ほど見ておく形になります。
ドメインの種類や業者によって変わります。
ここで大事なのは、解約日を先に決めてしまわないことです。
移管が終わる前に契約が切れると、手続きがやり直しになることがあります。
費用は、ドメインの移管自体なら無料から数千円ほどの幅です。
サイトのデータを新しいサーバーへ移す作業を依頼する場合は、別に作業費がかかります。
こちらは規模と引き継ぎの範囲で変わるので、金額を聞く前に範囲を決めたほうが話が早いです。
サーバーの解約そのものの段取りは、別の記事にまとめています。
進める順番
整理すると、こうなります。
- ドメインの名義をWhoisで調べる
- 分からない部分を、確認だけのメールで聞く
- 返事をもらってから、移管が必要かを判断する
- 移管を依頼して、認証コードを受け取る
- 新しい管理先へ移す
- 移管が終わったのを確認してから、解約日を決める
解約の連絡は最後です。
よくある勘違い
サイトが自分で作ったものなら名義も自分、とは限りません。
原稿も写真も自分で用意していても、登録の手続きを相手がしていれば名義は相手です。
作った人と、契約している人は別の話です。
それから、メールは自動では移りません。
ドメインを移しても、受け取りの設定は新しく作り直しになります。
過去のメールが消えると困るものは、移す前に手元へ保存しておいてください。
最後に
この確認は、今すぐ制作会社を変える予定がなくてもやっておく価値があります。
名義が自分になっていると分かれば、それだけで安心して次の話ができます。
なっていなければ、急がないうちに相談できます。
困ってから調べるより、落ち着いているときに1回見ておくほうが、ずっと楽です。
自分の側に何を持っておくべきかという話は、SNSの備えの記事とも重なります。
住所とデータを自分で持っている状態が、いちばん強い形です。
よくある質問
ドメインの名義は自分で調べられますか
Whois検索という仕組みで、多くのドメインは外から登録者を確認できます。ただし個人情報保護の代理表示が入っていると、制作会社名や代行サービス名しか出てこないことがあります。その場合は相手に直接聞くのが早いです。
名義が制作会社のままだと、サイトは使えなくなりますか
契約が続いている間は問題なく動きます。困るのは解約したあとです。ドメインの更新が止まると、その住所でサイトもメールも開けなくなります。移管できるかどうかを先に確かめておくと安心です。
移管をお願いするのは失礼になりませんか
取引の終わり方として普通の手続きです。理由を責める形にせず、今後の管理を自分側でしたいという言い方にすれば、角が立ちません。多くの制作会社は手順を持っています。
費用はどのくらいかかりますか
ドメインの移管そのものは、登録業者によって無料から数千円ほどの幅です。別途、サイトのデータ移設や再設定を依頼する場合はその作業費がかかります。金額は規模と引き継ぎの範囲で変わるので、先に範囲を決めてから見積もりをもらう形が確実です。
メールアドレスも一緒に移りますか
自動では移りません。ドメインを移しても、メールの受け取り先の設定は別に作り直す必要があります。過去のメールが消えないよう、移す前に手元へ保存しておいてください。
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