この記事の要点
- AIに任せられるのは、形が決まっている作業と、下書きを作るところまで
- コメントやDMのやり取りを自動化すると、届く力そのものが落ちる
- AIは95点のものを100点の顔で出してくる。そのまま出すと質が静かに下がる
- 投稿を作る時間を減らして、その分を交流に回すのが正しい使い方
- 自動化の目的は投稿を増やすことではなく、続けられる状態を作ること
インスタの投稿は、AIでかなり楽になります。キャプションの下書きも、構成案も、画像も作れます。投稿を作る時間は、実際に何分の一かになります。
ただし、自動化すると逆に届かなくなる部分があります。ここを一緒に自動化してしまうと、投稿の数は増えたのに反応は減る、という状態になります。
この記事は、任せていい作業と、自分でやり続ける必要がある作業を分ける話です。
先に結論を書きます
作る作業は任せていい。届ける作業は任せられない。
投稿を組み立てるところまでは、道具で速くできます。でも、その投稿が誰かに届くかどうかを決めているのは、投稿の外側にある部分です。そこは人がやるしかありません。
任せていい作業
キャプションの下書き
一番効きます。白紙から書くのが一番しんどいので、叩き台があるだけで作業が別物になります。
コツは、丸ごと書かせないことです。「この施術について、こういう人に向けて、300字で」と条件を渡して出させて、自分の言い方に直す。この直す工程は残してください。
素材の整理と使い回し
一度書いたものを別の形に変えるのは、道具が得意な作業です。長い投稿を短くする、リールの台本に直す、質問に答える形に組み替える。同じ中身を何度も出すのは手抜きではなく、普通の運用です。
ハッシュタグや構成の候補出し
候補をたくさん出す作業は任せていいです。選ぶのは自分ですが、選択肢を並べるところは速い方がいいです。
決まった形の連絡
予約のリマインド、営業時間の案内、よくある質問への一次返信。毎回同じ手順のものは自動で問題ありません。
任せられない作業
コメントとDMのやり取り
ここが一番大事です。
SNSは、もともと交流するための道具です。 発信の場所として使えるのは、交流の上に乗っているからです。
コメントを返す、他の人の投稿を見に行く、DMで一往復する。この動きが、届く範囲そのものを作っています。投稿の質ではなく、この動きの量が届く人数を決めています。
だから、ここを自動化すると土台が抜けます。投稿は増えているのに反応が減っていく状態は、たいていこれが原因です。
DMについては、受け取ったことを知らせる一言や、資料を渡すところまでは自動でかまいません。 そのあとの会話まで自動にすると、会話になりません。相手はすぐ分かります。
何を出すかの判断
これは自動化できません。誰に向けて、何を伝えて、どこに来てほしいのか。この判断は、必ず誰かが持つ必要があります。
道具に聞くと、それらしい答えは返ってきます。でも道具はあなたの店の事情を知りません。常連さんがどういう人か、去年何が当たったか、いま何が足りていないか。判断の材料を持っているのは自分だけです。
自分の言葉で話す部分
失敗した話、迷った話、お客さんに言われて嬉しかったこと。この種類の話は、代わりに書けません。
そして実は、こういう投稿が一番反応します。整った文章より、その人にしか書けない話の方が残ります。
「常に100点が出る」は本当ではありません
AIを勧める文章でよく見る言い方があります。
「人間にはムラがあるが、AIにはない。常に100点のものが出る」
これは違います。
正確に言うと、AIは95点のものを100点の顔で出してきます。 自信のなさそうな出し方をしないので、読む側が気づきにくいだけです。
出てきた文章に事実の間違いが混ざっていることもあります。自分の店では使わない言い回しが入っていることもあります。それでも堂々と出てくるので、そのまま使ってしまう。
そして、少しずつ自分の言葉から離れていきます。
これを防ぐ方法は1つだけです。出す前に、自分で声に出して読む。 違和感があったら直す。これだけで大きく変わります。
もし中身そのものが不安なときは、そのまま聞いてみてください。「これ、本当に大丈夫ですか」と聞くと、たいてい弱いところを自分から言ってきます。
現実的な配分
自動化の目的は、投稿を増やすことではありません。続けられる状態を作ることです。
今まで1投稿に1時間かかっていたなら、それを20分にする。そして浮いた40分を、コメントとDMに使う。
これが正しい使い方です。浮いた時間で投稿数を3倍にすると、交流はゼロのままなので、結果は変わりません。むしろ、投稿だけが並んだ寂しいアカウントになります。
頻度より、続くことの方が効きます。 毎日出して3週間でやめるより、週2回を半年続けた方が積み上がります。半年続けられる量を、最初に決めてください。
自動化しても、届く量は増えません
最後にもう一度書いておきます。
道具は、作る速さを変えます。届く量は変えません。
届く量を変えるのは、交流を続けることか、広告を出し続けることのどちらかです。どちらかは必ず払う必要があります。 この話はSNS集客がうまくいかない本当の理由に詳しく書きました。
自動化は、その払い続けるための体力を作る手段です。払わなくて済む方法ではありません。
まとめ
- 任せていい=キャプションの下書き、素材の使い回し、候補出し、決まった形の連絡
- 任せられない=コメントとDMのやり取り、何を出すかの判断、自分の言葉で話す部分
- AIは95点を100点の顔で出す。出す前に自分で読む工程は残す
- 浮いた時間は、投稿数ではなく交流に回す
- 自動化のゴールは投稿を増やすことではなく、半年続けられる状態を作ること
楽になった時間を何に使うかで、結果が変わります。
よくある質問
AIに投稿を作らせるのは手抜きですか
手抜きではありません。ただし出す前に自分で読んで直す工程は残してください。読まずに出すと、少しずつ自分の言葉から離れていきます。
DMの自動返信は使ってもいいですか
受け取ったことを知らせる一言や、資料を渡す動きまでは自動でかまいません。そのあとのやり取りまで自動にすると、会話にならないので効果が落ちます。
毎日投稿しないと届きませんか
頻度より続くことの方が効きます。毎日出して3週間でやめるより、週2回を半年続けた方が積み上がります。
AIが作った文章はバレますか
バレるかどうかより、自分の言葉になっているかどうかが問題です。読んだ人が誰の話か分からない文章は、覚えてもらえません。
何から自動化すればいいですか
毎回同じ手順でやっている作業からです。判断が要る作業は最後まで残してかまいません。
仕組みごと任せたい方へ
サイト制作、SNS運用、公式LINEの設計、広告の受け皿づくりまで。単発の制作ではなく、続く形をつくるところからお引き受けしています。
できることを見る